大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)3607号 判決

原審第三回公判調書によれば同公判において検察官は若し被告人が本件焼酎を製造したのでないならば金海南が免許を受けないで焼酎を製造するものなることを知りながら昭和二十五年末頃東北本線野崎駅前において同人に対し被告人が予て借用していた那須郡野崎村大字沢八百九十三番地篠原一二方納屋を貸与し因つて同人をして昭和二十六年一月頃同所において焼酎二斗三升七合を製造する幇助をなしたものであるとの予備的訴因追加の申立をなし裁判官は右申立について意見を求めたところ被告人は弁護人に一任すると述べ弁護人は右請求は訴訟進行上時期を経過しており弁論終結間際にかかる請求をなすは不適当であると述べ裁判官は所論のように検察官の右予備的訴因の追加の申立は却下する旨の決定を宣したことを認めることができるそして右予備的訴因追加の申立は本件公訴事実の同一性を害しない限度においてなされたのであるから許さなければならないのに原審が之を却下したのは刑事訴訟法第三百十二条第一項に違反すること正に所論のとおりである然しながら原審においては本件起訴状に記載されている公訴事実を認めたのであるから右訴訟手続における法令の違背は原判決に影響はないものと認むべく原審が右予備的訴因追加の申立を却下したが為に本件を幇助を以て論ずべきであるのに誤つて被告人を本件焼酎密造の正犯に問疑したとの所論は右控訴趣意第一点についての判断において示したように原判決の事実認定に誤ない以上到底之を容れることはできない原判決には所論のような違法の点はない。論旨は理由がない。

同第三点について。

酒税法第六十条第一項所定の罪の判示としては免許を受けないで焼酎を製造したことを以て足り必ずしも焼酎を製造するに使用した器具機械原料等を詳細に具体的に判示する要はないから原判決の罪となるべき事実の記載には欠くるところがないものと言わなければならない。

論旨は理由がない。

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